
このレッスンでは、
Webマーケティングをする上で欠かせない
「USP」について解説します。
USPとはマーケティング用語ですが、
Unique Selling Propositionの略で、
他社にはない、自社の商品やサービスの強みのことです。
つまり、あなたの会社だけが提供できる利益(価値)であり、
顧客の視点から言い換えれば、
「あなたの会社の商品やサービスを選ぶ理由」となります。
顧客からすれば、同じような商品・サービスは世の中にあふれているので、
USPがわかれば迷うことなく商品を選ぶことができるのです。

USPの成功事例
USPの成功事例として、
世間で広く知られるキャッチフレーズを紹介します。
M&M’s
アメリカでおなじみのカラフルなチョコレート、M&M’s。
M&M’sのチョコレートはみなさんもご存じの通り、
手で持っても溶けません。
それは砂糖でチョコレートをしっかりコーティングしてあるからです。
他のチョコレートにはないこの魅力をUSPとして売り出したのが、
このコピーです。
”口でとろけて、手にとけない”
http://www.m-ms.jp/history/
このキャッチフレーズで、ヒット商品となりました。

稲葉製作所
かつてテレビでよく見た稲葉製作所のCMは、
印象に残っている人は多いのではないでしょうか。
物置きの上に100人が乗り、
この会社の物置がいかに丈夫であるかが、
消費者にストレートに伝わりました。
”やっぱりイナバ 100人乗っても大丈夫!”
https://www.inaba-ss.co.jp/
USPをつくる時の6つのポイント
多くの経営者にとってUSPを作ることは簡単ではなく、
すぐに思いつかないことが多いようです。
ポイントをまとめましたので、
USPを作るときのヒントにしてください。

1.他社にはないサービスで、ユニークであること
「あなたの会社のUSPは何ですか?」
と問われて、ほとんどの人は困ってしまうようです。
考えてもそんなものは思い浮かばない・・・。
と諦めずに、会社のサービスを深く探ってみましょう。
例えば、下のような項目を書き出してみてください。
- 会社、もしくはあなた自身の経験や実績
- 既存の顧客があなたの会社を選んだ理由
- 競合他社に負けないところ
- あなたの会社のポリシーやこだわり
- あなたが仕事をしていてやりがいを感じること
以上のことを思いつく限り書き出してみると、
USPとして使えそうなことがおのずと浮かんできます。
どうしても見つからないなら、
自社ではあたりまえだと思っているサービスを
洗い出してみてください。
自社ではあたりまえに思っているすばらしいサービスが、
実は消費者のニーズに合っているのに、
しっかりと訴求ができていないことがあります。
2.複数のサービスをかけ合わせ、新しい価値を生み出す
すでに他社が展開しているサービスであっても、
さまざまな要素をかけ合わせれば、
新しい価値のあるサービスとして売り出すことができます。
例えばCCC カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の
「蔦屋書店」は、
”コーヒーを飲みながら” ”本が読める”という二つの要素をかけ合わせ、
新しい価値を提供しましたね。
蔦屋書店:CCC カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
あなたの会社の商品やサービスにも、
かけ合わせると価値のある
複数の要素があるかもしれませんので考えてみましょう。
3.ターゲットのニーズを把握する
前回のレッスンで、ペルソナを設定することの大切さについて学びましたが、
ペルソナを設定したら、ターゲットのニーズもしっかりと把握しましょう。
注意したいのは、必ずしも商品やサービスの機能性が高いことが
ユーザーのニーズとは限りません。
ユーザーにとっては高機能よりも、
例えば「安いこと」や「すぐに手に入ること」などの方が
価値がある場合があります。
ターゲットのニーズを把握するには、
お客様からの問い合わせ内容にもヒントがありますので、
見直してみると良いでしょう。
4.競合のUSPを研究しておく
自社のUSPが本当に独自性があるかどうかを知るためにも、
競合他社のUSPを確認しておくと良いでしょう。
まだどこの会社も打ち出していない価値を知ることもできます。
5.嘘はつかない
実際に提供しているサービスであれば、
少し大げさに書いたりすることは良いのですが、
決して嘘をつくことはやめましょう。
嘘であることが消費者にばれてしまえば、
せっかく時間をかけて築き上げてきた信頼関係が一瞬で崩れてしまいますし、
そこから信頼を取り戻すことも難しくなるでしょう。
6.ストーリー性があると◎
USPにはストーリー性を持たせると、
より顧客の心に響くものになります。
ストーリー性があると理解がしやすく、共感がしやすくなるからです。
ストーリー性を持たせるには、
次のことを整理してUSPをつくってみましょう。
- どのような技術やノウハウがあるか?
- これまでどれぐらいの実績や経験を積んできたか?
- どのような気持ちで商品やサービスを提供しているか?
(2)に関しては、「◯年の経験」「◯人のお客様にサービスを提供」
「リピート率◯%以上」など、数字を入れるとより説得力が増します。
(1)(2)(3)を書き出したらそれらをつなぎ合わせ、
顧客の心に響くストーリーにしてみましょう。
解説したポイントを参考に、あなたの会社のサービスを見直し、
深く掘り下げて、顧客の心をつかむUSPをつくってください。
次のページでは、「キャッチコピー/タイトルをつくるときのポイント」
について学びます。